ガイド一覧に戻る

導入

MOBAでスマーフアカウントを使っていると、「メインと比べて本当に上達しているのか」「スマーフの時間は無駄になっていないか」と気になることがある。結論から言えば、両アカウントの成績を同じフォーマットで記録し、定期的に比較することで上達効果を測りやすくなる。

ただし、現在のところスマーフとメインの成績を統合して比較できる記録フォーマットの具体例は日本語でほとんど存在しない。また、初心者向けに「今日から何を記録すべきか」を絞り込んだ最小限の記録項目の提案も不足している。

本記事では、以下の流れで解説する。

最後まで読めば、自分に合う記録方法がひとつは見つかるはずだ。より広い視点で上達アプローチを確認したい場合は、MOBA上達ガイドの全体像も参考にしてほしい。

原因を整理する

スマーフアカウントを運用するプレイヤーは、大きく2つのパターンに分かれる。

パターン1:新しいチャンピオンやロールの練習用 メインアカウントへのプレッシャーを避け、リスクなく試したい場合だ。この場合、記録の目的は「練習前と練習後でメインの成績が変化したか」を確認することにある。

パターン2:異なるランク帯でのゲーム理解を深めるため 上級者があえて低ランク帯でプレイし、メカニクスや意思決定を見直すケースだ。ここでは「スマーフ環境での判断がメインのランク帯でどう活きるか」が記録の焦点になる。

コミュニティの意見を見ても、上級者の中には新しい環境でプレイすることでメカニクスの再確認ができると評価する声がある一方で、低ランク帯でのプレイが実際の上達スピードに貢献しない場合もあるという指摘も少なくない。賛否両論があるからこそ、自分のデータで検証することが重要だ。

なお、Riot公式では複数アカウント間のデータ連携や統合的な分析機能は提供されていない。サードパーティAPIを通じてマッチ履歴やKDA等のデータは取得できるが、自分で記録フォーマットを用意するのが現実的なアプローチとなる。

KDAやCSの基礎的な記録方法については、KDA・CS記録ガイドもあわせて参照してほしい。

対策を選ぶ

以下に原因別の対策を整理する。自分の状況に近いものを選んでほしい。

向いている対策

状況 おすすめの記録方法
練習用スマーフ 練習するチャンピオンのKDA・CS・勝率をメインの同チャンピオン成績と比較
ランク理解用スマーフ デス数・ビジョンスコア・判断ミス回数をメインと同じシートに記録
両方の目的がある 共通フォーマット(後述)で両アカウント分を並べて記録

向いていない対策

今日から始める最小限の記録フォーマット

必要な項目は以下の5つに絞る。これ以上増やすと続かない。

  1. 日付:プレイした日
  2. アカウント:メイン or スマーフ
  3. 使用チャンピオン:ロールもメモすると良い
  4. KDA / CS / デス数:ゲーム終了後のスコア画面から転記
  5. 所感:1文で良いため(例:「フックの精度が安定した」「集団戦の入り方を見直したい」)

スプレッドシートでもノートでも構わない。重要なのは両アカウントの記録を同じシート(または同じフォーマット)にまとめることだ。

上達効果を測るKPI設定

記録を始めたら、以下のような指標で進捗を追跡する。

月ごとにこれらの数値をグラフ化することで、一見では分からない改善傾向が見えてくる。スパークラインチャートで進捗を可視化できるツールを使えば、数値の推移を直感的に把握しやすくなる。

実行手順(週1回でOK)

  1. プレイ終了後、スコア画面のKDA・CS・デス数をメモする
  2. 週に1回、メインとスマーフの直近10試合ずつを並べて比較する
  3. KDAの平均、デス数の推移、所感の傾向を確認する
  4. 月に1回、KPI指標の月間平均を算出して前月と比較する
  5. 気づきがあれば次週のプレイに反映する

これだけでも、「スマーフで練習したフックがメインで活きているか」を客観的に把握できる。

続けるための工夫

記録を習慣にするには、以下の工夫が有効だ。

工夫1:記録をゲームの一部にする マッチ終了後のロビー待ち時間にメモするルールにする。別のタイミングに回すと忘れやすく、記録の正確性も下がる。

工夫2:項目を最初は絞る

記録を続けるためには最初の項目を3〜5個に絞ることが重要だ。5項目のフォーマットで2週間続いたら、ビジョンスコアやオブジェクトダメージなど自分の課題に合った項目を1つずつ追加していくと良い。

工夫3:ビルトインテンプレートを活用する

フォーマットをゼロから考えるのが面倒な場合は、MOBA向けのビルトインテンプレートを備えたツールを活用するとハードルが下がる。カスタムメトリクスで自分なりの目標を定義し、進捗をトラッキングできるツールであれば、スプレッドシートの手間を省きつつ記録の質も維持しやすい。例えばLevelerはMOBA・FPS・格闘ゲーム向けのテンプレートを提供し、カスタム目標設定とスパークラインチャートによる進捗可視化を組み合わせた記録が可能だ。

工夫4:週に1回ふりかえる時間を設ける

毎週決まった日に1週間分の記録を振り返り、次週の目標を1つだけ設定する。目標は「デスを平均0.5減らす」など具体的で数値化できるものにする。

注意点と限界

記録・分析を進めるうえで知っておくべき注意点を整理する。

記録だけで上達するわけではない

データは現状を把握する手段であり、分析結果を見ただけでプレイスキルが向上するものではない。記録から見えた課題に対して、練習やレビューを実際に行うことが必要だ。

スマーフ利用が上達に直結するとは限らない

スマーフでの練習がメインの成績に貢献するという定量的なエビデンスは不足している。メリットとして異なるランク帯での経験がゲーム理解を深める可能性やメインへのプレッシャーなしで新しいチャンピオンを試せる点が挙げられる一方で、低ランク帯でのプレイが実際の上達スピードに貢献しない場合もある。期待しすぎないことが大切だ。

規約上の取り扱いに注意する

Riot Gamesのプライバシーポリシー上は複数アカウント保持を明示的に禁止する記述は見当たらないが、Terms of Serviceで一人一アカウント推奨の方針が示されている可能性がある。個人のアカウント間で統計情報を手動で比較・記録すること自体は規約違反に該当しないと考えられるが、各タイトルの最新の利用規約を必ず確認してほしい。

LoL以外のタイトルについても、Dota 2(Valve)にはスマーフ検出システムが存在し、検出された場合は強制的にスマーフMMRに移動されることがある。VALORANTはMOBAではなくFPSだがスマーフ文化が近く、LoLと同様に回線共有やboosterとの代行は明確に規約違反となる。いずれも最新の利用規約を確認したうえで、規約の範囲内で利用することが重要だ。

サンプル数が少ないと判断を誤る

5〜10試合程度のデータでは偶然の変動が大きく、傾向として信頼できる判断にはならない。少なくとも一つのチャンピオン・ランク帯で30試合以上の記録がたまるまでは大きな結論を出さないよう心がけよう。

よくある質問

スマーフアカウントは規約違反になりますか?

Riot Gamesのプライバシーポリシー上は複数アカウント保持を明示的に禁止する記述は見当たりません。ただしTerms of Serviceで一人一アカウント推奨の方針が示されている可能性があるため、各タイトルの最新の利用規約を必ず確認してください。個人のアカウント間で統計情報を手動で比較・記録すること自体は規約違反に該当しないと考えられますが、最終的には各タイトルの規約をご自身で判断してください。

スマーフとメインで記録するべき指標は何ですか?

最小限で始めるなら「日付・アカウント・チャンピオン・KDA/CS/デス数・所感」の5項目で十分です。慣れてきたらビジョンスコアやオブジェクトダメージなど、自分の課題に合った項目を追加してください。

無料で使える成績記録ツールはありますか?

スプレッドシートや手書きノートであれば無料ですぐに始められます。op.ggやu.ggなどの既存サービスも公開データとしてマッチ履歴やKDAを確認できます。より本格的に記録を管理したい場合は、Levelerなどのトラッキングツールも検討してみてください。

スマーフでプレイし続けるとメインのランクは上がりますか?

スマーフでの練習がメインの成績に直結するという定量的なエビデンスは不足しています。記録と比較を通じて自分なりの傾向を見つけ、振り返りに活用することが大切です。スマーフをやれば確実に強くなると期待しすぎないことをおすすめします。

まとめ

スマーフとメインの成績を記録・比較することで、自分のプレイ傾向と改善ポイントを客観的に把握できる。Riot公式では複数アカウント間の統合分析機能がないため、自分で記録フォーマットを用意することが現実的なアプローチだ。

今日から始められる最初の一歩として、以下のいずれかを選んでみてほしい。

どれか一つでも始めれば、数週間後には自分の成績に見えてくるパターンが必ずある。記録は続けることが一番大事だ。まずは一番ハードルの低い方法を選んで、今週から始めてみよう。

MOBA上達に向けた他のアプローチについては「MOBA上達ガイドの全体像」もあわせてご覧ください。